1. ポジショントークとは何か?
みなさん、「ポジショントーク」 という言葉を知っていますか?
簡単に言えば、自分にとって有利になるように立場から発言すること です。
- 金融市場では、投資家が自分の持っている株を有利にするために「この銘柄は将来有望だ!」と発言する
- ビジネスシーンでは、商品を売りたい立場の人が「これが一番おすすめ」と言い張る
こうした場面でよく使われます。
2. 住宅メーカーの例
たとえば、住宅メーカーの人に「持ち家 vs 借家、どっちがいいですか?」と聞いたとします。
彼らが「借家がおすすめですよ」と答えることは、まずありません。
なぜなら 家を売るのが彼らのビジネス だからです。
持ち家を推すのは当然のポジショントークなんです。
3. 株式投資の例
株の世界も同じです。
- A社の株を持っている人 → 会社の業績が下がっていても「今は買い時!」と言う
- B社の株を空売りしている人 → どんなに業績が良くても「この会社は危ない」と言う
利益と立場が発言を作っている のです。
4. テレビのコメンテーターも実は…
テレビのコメンテーターも例外ではありません。
番組にはスポンサーがついています。
- 自動車メーカーがスポンサー → 「事故が多いので車を控えましょう」とは絶対に言わない
- 製薬会社がスポンサー → 「薬はなるべく飲まない方がいい」なんて口が裂けても言わない
言えば 二度と呼ばれなくなる からです。
ある意味で彼らは可哀想かもしれません。自由に言いたいことを言えないんです。

5. 会社員の日常に潜むポジショントーク
これはニュースや投資の世界に限った話ではありません。
僕たちの日常生活や職場にも、ポジショントークは潜んでいます。
たとえば会社で「ちょっとグレーなやり方」を強要されることがあります。
それを「やりたくない」と拒み続けるとどうなるでしょう?
- 「反発しているやつ」
- 「協調性がない」
と評価され、役職は上がらず、不当な扱いを受けるかもしれません。
もちろん、本当にアウトなことは止めるべきですが、大抵の会社は利益追求のために「グレー」をやるものです。
だから多くの人は、忖度しながら立場に合わせて話す んですよね。
6. 人生は忖度とポジショントークだらけ
よっぽど強い立場の人や圧倒的にお金を持っている人でない限り、自由奔放に生きるのは難しいです。
多かれ少なかれ、僕たちは 忖度しまくりの人生 を送っています。
そして極端な発言をする人がいたら、その背景を調べてみましょう。
「この人はどんな立場で、どんな利益があるのか?」
それが分かれば、その発言の意味がかなり見えてきます。
7. 心理学的な視点
心理学には「認知的不協和」という理論があります。
これは「自分の立場と矛盾する情報を無意識に避ける」という人間の性質です。
住宅メーカーの人は、家を売るのが仕事だから「借家の方がいい」という情報を自然と無視する。
株を持っている人は、その株の悪材料を見ないようにする。
つまり、ポジショントークは人間の心理に深く根付いているのです。

Q&A:ポジショントークに関する疑問
Q1. ポジショントークって全部悪いこと?
A. いいえ。必ずしも悪ではありません。その人の立場を理解した上で話を聞けば、有益な情報もたくさんあります。
Q2. どうやって見抜けばいい?
A. 「この人は何を得たいのか?」を考えることです。発言の裏にある利益や立場を想像すると、情報の意味が見えてきます。
Q3. ポジショントークに振り回されないコツは?
A. 複数の情報源を持つこと。1人の意見を鵜呑みにするのではなく、立場の違う人の声を集めることが大切です。
なぜこの話題を選んだか
最近、テレビやSNSで極端な意見を言う人をよく目にします。
でも、その人の背景やスポンサー、所属を調べると「なるほど、だからそう言うのか」と納得することが多かったんです。
だから「ポジショントーク」を知っておくことは、情報が溢れる現代を生き抜く上で大切だと思い、このテーマを選びました。
今日持ち帰ってほしいこと
情報を受け取るときは、その人の立場をセットで考えよう。
- 「この人は誰のために話しているのか?」
- 「この発言で得するのは誰か?」
これを意識するだけで、情報の見え方が大きく変わります。
情報社会を生き抜くには、ただ知識を増やすだけでなく、情報の裏側を読む力 が必要です。
ポジショントークを理解すれば、きっとニュースもSNSも、今よりずっとクリアに見えてくるはずです。